簡単なフェルミ推定をしてみます。
随時、アップデートしていきます。
1.概略面積
まずは概略の面積を算出します。
googleマップを使って、ざっくり計算です。
13723.35 ㎡
今回はこの数値を使用します。
2.概略水量
番組中で使用していた数値を使用します。
15000 ton ≒ 15000 ㎥
3.概略水位
1.と2.から、概略水位を算出します。
15000 ㎥ / 13723.35 ㎡ = 1.093 ⇒ 1.09 m
4.ポンプ流量
番組で使用していたポンプの流量です。
なお、番組中では揚程に関して言及がなかったため、
ここでは定格流量のみを考慮します。
400ton/h ≒ 400 ㎥/h
5.水門
水門については詳しい情報がありませんでしたので、
ほぼ想像です。
水門の数 2か所
水門断面積 0.5 m × 0.5 m = 0.25 ㎡ (1個あたり)
設置位置 お堀の最下部 ※
(※ 仮想的に、水門サイズを考慮せず、最下部にあるものとします)
■ここからは推定です■
A.ポンプ2台のみで排出する場合の所要時間 (流入未考慮)
定格流量にて、ポンプ2台で排出する場合の所要時間です。
15000 ㎥ / (400㎥/h×2台) = 18.75 h
つまり、降雨による流入を考慮しない場合は、
丸一日あればお堀の水を抜くことができます。
ただし、ポンプ揚程は未考慮です(後述します)
B.水門による自然排出
ここではトリチェリの定理を利用して、水頭差により自然排出されるものとします。
まず、トリチェリの定理ですが、その説明の前に、ベルヌーイの定理です。
ベルヌーイの定理は、一本の流線に関して、以下の式が成り立つというものです
ここで、
ρ : 密度 [kg/m3]
v : 速度 [m/s]
p : 圧力 [Pa]=[N/m2]
g : 重力加速度 [m/s2]
z : 鉛直方向の位置(座標) [m]
この式について、水門の出口を添字1、水面を添字2とします。また、p1=p2=大気圧であること、水面における速度は水面が水門の面積に比較して比べ物にならないほど広いことからv2≒0となることを利用して、v1について整理します。
つまり、流出速度は水面と水門出口との高低差の関数、水位の関数へ簡単に整理できます。さて、これを利用して積分してしまえば解けるのですが、エクセルで時系列計算をしてしまう方が簡単です。
エクセルにおける設定条件は以下の通りです。
z1 : 水門の高さ=基準点=0とする
z2 : 3.項で算出した初期水位 1.09 m (初期値)
z2については、エクセルにて時系列で計算していきます。
これにより、水門からの流出速度が計算できますが、計算したいのは流出速度[m/s]ではなく、水門からの流出量[㎥/s]ですので、5.項で算出した水門の断面積を利用して算出します。
流出量 Vout[㎥/s] = v1 × 水門断面積
= v1[m/s] × (0.25 [㎡/箇所]×2[箇所])
上式をもとに、排出量が2.項の15000㎥になるのが何時間後か、エクセルで算出します。
おっと、トリチェリの定理で考えてしまうと、なんと200分つまり3時間半もしないうちに小田原城のお堀は空になってしまう計算です。
これは、少し仮定がよろしくないということですね。今回の仮定で良くない点としては、まず、トリチェリの定理が適用できるとしている点です(笑) これを言うと元も子もないですけどね。
流速を見てみますと、初期水位の状態では、約4.63m/sとなっており、かなり高速になっています。この状況ですと、現実問題で何が起きるかというと、流路における圧力損失が大きくなります。話が飛ぶとややこしくなるので簡単に説明すると、流路抵抗は流速の2乗に比例するので、流速が4.63m/sと早い状況では、流路の抵抗で実際にはこんなに速度が出ない、つまり、水が流れないのです。こうなるとどうなるかというと、p1=p2=大気圧という仮定が崩れてしまうのです。困りましたね。
ということで、今日のところはここまでにしましょう。。。
~ 本日はここまで ~
C.降雨による水の流入
小田原城内部および、周辺地域からのお堀への雨の流入を概算します。
(あとで追記します)
D.A~Cを考慮した必要時間の概算
(あとで追記します)